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東京高等裁判所 昭和46年(ラ)895号 決定

前記仮差押執行について、抗告人主張の民事訴訟法五六六条一、二項違背の点の有無についてみる。

民事訴訟法七四八条により仮差押執行に準用される同法五六六条一、二項は、債務者の占有中にある有体動産の差押は、執行官がその物を占有してこれをなすのを原則とし、例外として、債権者の承諾あるとき又はその運搬をなすにつき重大な困難あるときは、これを債務者の保管に任すべきものと定めているところである。したがって、本件の場合は、債権者である抗告人の承諾がなかったのであるから、本件物件の運搬をするにつき重大な困難があるときに、はじめて、これを債務者の保管に任すことができるというべきである(執行官手続規則二六条六号参照)。なるほど、有体動産の差押又は仮差押の執行の実情では、むしろ差押物を債務者に保管させるのが原則的になっていることは当裁判所にも顕著なところであって、債務者においてもこのことを予期しているであろうということは推測に難くないけれども、このような執行の実情から、債権者の承諾がなく、又差押物件の運搬に重大な困難もない場合にまで、執行官の裁量により債務者に保管を任すことが許容されると解すべき根拠を見出すことはできない。

(江尻 後藤 平田)

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